大判例

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広島高等裁判所岡山支部 昭和27年(う)26号 判決

論旨一乃至三は要約すると原審の採用した証人岡田高子及び同幸子の供述並びに被告人の自白の信憑力のないことを主張するものであるがなる程証人岡田高子は当時年齢僅かに六歳の少女にすぎずその供述中にも多少齟齬した点も認められないではないが、窃盗犯人が同女方に侵入した時の模様について犯人が「みつちやん遊んでもらつてえゝなあ」と云つたこと「そのおぢさんがお母さんはと云うので私が居らんと云つたらあがつてずうつと裏へ行つてああちやんのズボンのバンドを抜いたり箪笥をあけたりしたので、私が傍へ寄つておぢちやんそれを盗つたら泥棒じやがと云つてやりました」と供述し、更に同女が姉の幸子を呼びに行つた際「ひできちやんを連れて来た、おぢちやんが来てあがつているからかえられん」などと供述している点から見ると少女とはいえ当時の模様を大人も及ばぬ程系統的且印象的に供述していることが認められる。問題は同少女が被告人と他人とを見違えたのではないかと疑われるのであるが、原審法廷で同女は当時の犯人を此の人だとして、被告人を指示している事実から見ると人違いをしているとは認め難い。

又証人岡田幸子の供述についても所論のように誘導された結果にもとづくものとは認め難い。更に又所論のように時間その他については明瞭を欠く点を認め得るが、妹の高子が「ひできちやんを連れて来たおぢちやんがあがつている」と云つた点は右証人高子の供述と完全に符合している。要するに右両証人の如き年少者の供述は細部に亘るまで正確を期することは不能を強いるものであつて、その大綱について事実を把握する以外に途がない。此の観点に立つて両少女の証言を綜合すると本件犯人が被告人であるとの点については優に之を措信するに足るものと認められる。

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